
最終更新日:2017年2月9日
台湾で起業しようと考えている人に向けて書いています。
台湾でビジネス(商売)をやるのであれば「就労ビザ」のことをセットで考えなければいけません。
日本でも外国人がカンタンに働けないように、台湾でも日本人が働くには色々条件をクリアする必要があります。
ここでは、ぼくの体験をベースに台湾での就労ビザをどう用意するのか、注意点などを紹介したいと思います。
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法人設立(会社)について
台湾でまずは屋号・法人を立てなければなりません。
その際に登記するための住所が必要です。
オフィスなどを用意するような場合を除き、実物件を契約後にその住所で会社登記をする必要があります。
(ちなみに住居として借りる住所では、一般的に会社登記できません。)
台湾で代表的な会社形態は下記の3つです。
- 小吃店、屋号(日本の自営業のようなもの)
- 有限公司
- 股份有限公司
夜市の屋台や、古くからの小さい飲食店はほとんど小吃店と呼ばれる自営業として登録しています。
有限公司、股份有限公司というのが日本でいう株式会社や法人格をもった「会社」です。
台湾でいきなりチャレンジしたぼくの痛恨のミス
ここでぼくの失敗談です。
台湾に来た当初、出資者の台湾人友人と相談を重ね会計士とも話し合いました。
そして小吃店という自営業として起業しました。
しかし、この小吃店という自営業では外国人に対しての就労ビザが発給されません。
これは外国人への就労ビザ発給を監督する「勞動部」にハッキリと言われた事実です。
台湾のお国柄による曖昧さも
しかしながら、ぼくがTwitterで以前から色々教えて頂いてる方から、小吃店形態でも問題ないとアドバイスを頂いたこともあります。
この台湾の商用とはどんなものかといえば、給与として所得を得た場合は労働になりますから当然、労働許可が必要なのですが、商売などで金銭を受け取った場合はビザは不要と言うことになります。台湾で商売する上で台湾人を代表にして商売をしてその管理をするとかも不要となります。
— moto (@motonm) 2014年4月21日
それと、台湾では雇用される場合、労働許可証が通常は必要なんですが、自分が代表を務める法人から給与を得るという場合。
これは自分が永久居留証を貰うときに移民署の担当にこれ労働許可がないから違法?と聞いたら、自分が商売して儲けたもんだから給与じゃないんで労働許可は不要だとの事。— moto (@motonm) 2014年4月21日
これは判断の難しい情報で、台湾のどこで起業するかで正解・不正解が分かれるところでもあります。
台湾は首都の台北市からはじまり、多数の県があります。
県ごとの自治体が定めた規定などのも多くあり場所によっては小吃店でも問題ない可能性もあります。
ベストは法人(会社)の設立
商用ビザであれば、ビジネスで発生した配当は受け取れますが給与は受け取れません。
自分に給料を設定しないのであれば節税の面でも不利になります。
なので色々な情報はあれど、台湾で起業するのなら法人を設立するのがベストだというのがぼくの意見です。
台湾で法人を設立する流れはこちらを参考にしてください。
→台湾で法人(会社)設立の為に必要なことのまとめ
就労ビザが発給される出資額(資本金)
法人を設立するとなると有限公司か股份有限公司のどちらかです。
個人レベルであれば有限公司で全く問題ありません。
将来的に株式のストックオプションや、上場を考えるのであれば股份有限公司です。
しかし途中で登記変更もできるためこだわらなくてもいいです。
そんなわけでほとんどの日本人が台湾で起業するときに有限公司を設立することになるのですが、その際の資本金に条件があります。
台湾では外資系企業(日本人がつくる会社も)には一定の出資額に応じて就労ビザの条件を設定しています。
有限公司を設立する際に、NT$50万(175万円※2017年2月現在)の資本金であれば会社代表社にビザが発給されます。
※このビザは「社長ビザ」「老闆ビザ」とよくよばれますね。
その他に、資本金が大きくなればなるほど、招聘ビザの枠が増えます。
大きな会社をやるのなら母国から従業員を何人か連れてくる必要はあるよね、という理屈です。
それならばということで資本金をたくさん入れてビザ枠を手に入れたいところですが、異様にハードルが高いです。(金額の)
台湾人自体の雇用を守るためにそうなっています。
原則、社長ビザ1人の枠しかないと思っておきましょう。
なお、社長ビザ枠の配偶者にも居住ビザはでますので妻や子どもを連れてくることは可能です。
ワーキングホリデービザについて
ワーホリビザで起業できますか?とよく聞かれますので書いておきます。
できないです。
日本にワーキングホリデーできた外国人が商売ができるかどうか?という話で考えると分かりやすいです。
しかしながら、ワーキングホリデービザは就労もできるビザです。
例えば友人が台湾で作った会社で社員として働くということであれば問題はありません。
しかしワーキングホリデービザだと台湾の健康保険への加入、銀行口座の解説、携帯電話の契約は基本的には難しいです。(OKなところもある)
就労ビザの更新条件
台湾で法人をつくり、就労ビザを得た後も更新の条件というものがあります。
ビザ目的での法人設立を乱立されると台湾政府としてもコストになりますよね。
なので一定以上の売上がない会社については就労ビザの更新がされません。
一定の売上というのは年商NT$300万(1,050万円※2017年2月現在)です。
※利益ではなく売上額です。
売上がいくらかどうかは税務局が把握しており、税務局は就労ビザを発給する労働部と連動しています。
なので売上が満たない法人に関しては社長ビザが更新できないようになっています。
就労ビザを維持するためはビジネスの規模が小さすぎてはいけない、というのも台湾進出の条件です。
まとめ
以上が台湾で起業する際の就労ビザと条件についてです。
- 小吃店での起業は就労ビザを発行できない
- 有限公司での設立が一般的
- 会社代表人に就労ビザが発給される(社長ビザ・老闆ビザ)
- ワーホリビザは就労はできる
- 就労ビザの更新は年間NT$300万の売上規模が必要
この他にも台湾で起業・進出する際に必要になる知識を書いてます。
よければどうぞ。