
今回は台湾で起業して店を開業したい人向けに、法人設立のフローを紹介します。
あらかじめご了承願いたいのが個人での起業を想定したフローです。
日本にある企業が台湾で支社や法人を作りたい場合はまた違う内容になることが予想されますのでご了承ください。
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台湾で会社設立のフロー
会計士を見つける&物件を契約する
まずは会社設立手続きや、拠点となる物件契約の契約書などを作成してもらう為に会計士を見つけねばなりません。
その後に物件探しです。基本的に同時並行でこの作業をやります。
これは1番最初にして最大のハードルかもしれません。
【追記】
2018年現在は登記可能なシェアオフィスなども出てきておりハードルは下がってる印象を受けます。
会社設立の為に会計士、または顧問を探す
台湾で会計士を見つけます。
中国語が出来る方であれば、台湾版Googleで会計士を検索していきましょう。
臺北 會計士 - Google 検索
ちなみに台湾では、税務申告などを行う人を「會計士」伝票などの記録を行う人を「記帳士」という風に呼び分けています。
小規模の会計士であれば、月間4,000元〜6,000元の顧問料で契約することがでます。(1元=4円※2015年7月時点)
台湾で起業している日本人個人は、ほとんど紹介のケースで会計士を見つけています。
拠点となる物件を契約する
会計士を見つけるのと同時に、拠点となる物件を探します。
物件の探し方について、詳細に書くときりがないのですが・・・
王道は、下記のような不動産サイトで物件を探していくことです。
591提供租屋、中古屋、新房屋、建案、店面頂讓、搬家、 設計、 居家/家具資訊
以下の記事も参考にしてください。
台湾では不動産会社が仲介に入ることは少ないので、大家さんと直接交渉、契約締結になります。
契約は重要なので、できればこの時点で会計士に相談できる環境があるといいです。
会社名、営業項目を決め、「経済部投資審議委員会」へ書類提出する
次のステップは設立する会社の内容を決めることです。
会社名を決める
台湾で設立する会社の名前を決めます。特に会社名に規則はないようです。
日本企業の多くは会社名をそのまま中国語の発音に当て字にしたりしてます。
例:ニトリ→宜得利
ドトールコーヒー→羅多倫咖啡
あまり読みにくい会社名や、縁起の悪い言葉は使わないなどの最低限の配慮は必要かもしれませんね。
飲食店を経営する人は店の看板と会社名は違うことが多いのでそんなに問題にならないと思います。
営業項目を決める
台湾で行う商売の営業項目を決めます。
たとえば飲食店をやるのであれば「餐館業」などですね。
これは、ぼくが会社設立時に申請した営業項目です。
台湾ではほとんどの営業項目が開放されており、どんな内容でも起業できます。
経済部投資審議委員会へ書類提出する
会社名、営業項目、これらのことをを決定したら必要資料の作成です。
この資料作成には下記の4点の写し必要になります。
・賃貸契約書
・物件の使用許可書
・房屋税(物件税金)の納付書
予め、会計士に渡して資料作成してもらうこととなります。
経済部投資審議委員会とは
ちなみに、台湾では外資による出資を審査する機関があり経済部投資審議委員会と呼ばれます。
詳しくは日本のジェトロを見てください。
外国企業の会社設立手続き・必要書類 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
認可証を元に、台湾で銀行口座を作る
経済部投資審議委員会の審査を通過すると認可証が発行されます。
この認可証をもって銀行で登記準備口座を作ります。
どの銀行を会社銀行にするかは特に決められていないので自由です。
台湾の銀行の一覧 - Wikipedia
ぼくは店に近くて大手銀行である「國泰世華銀行」にしました。
日本から資本金を送金する
会社の準備口座まで完成したら、いよいよ日本からの資金送金です。
事前に会計士と打ち合わせした日に、銀行窓口へ社長本人が赴く必要があります。
※代理での海外送金はどの銀行も不可能でした。
資本金を送金する日になったら、その日の為替レートを準備口座を作った銀行から確認し、ピッタリの金額を送金します。
【参考】
日本側の振り込む銀行へ前日に訪問するなど、しっかりと準備してとりかかる必要があります。
ぼくの場合帰国日が振込の翌日で失敗ができない状況でしたので凄く神経を使いました。
上の参考リンクにあるように、メガバンクからの振込はできないと思ったほうがいいです。地方銀行から資本金を送金しましょう。
「経済部投資審議委員会」による送金金額の査定を受ける
台湾の銀行への振込が完了すると、経済部投資審議委員会の査定がされます。
ここまでくると会社設立のほとんどは終わったようなものです。
英文名で会社名を登録する
日本人が作る会社は外資扱いになりますので英字での会社名が必要です。
これも特に規則などなく自由。
このブログを書いてて、英語会社名を思い出せないことに気がつくぐらい使う機会はありません。(笑)
とはいえ後から後悔しないような名前にしたほうがいいですね。
経済部から会社設立許可書をもらう
手続きが終わると会社設立許可書が発行されるので、これを元に登記します。
登記完了するとこんな書類がもらえます。
会社の銀行も準備口座から本口座へ資金が移動され、このころから資本金を使うことができます。
※コレ重要です。送った金はすぐお金使えません。
最寄りの税務署で営業登録をする
自分の登記住所から最寄りの税務局に行き営業登録をします。
このとき、何月何日から商売を始めますよ、という申請が必要なので営業開始日を決めておきましょう。
詳しくは別で書きますが、台湾には統一發票というインボイスを使った税務申告があります。これも凄く重要です。
ここまできたら後は細かいことを気にせず全力で商売のことに取り掛かれます!
会社を作るのに必要な期間は約1ヶ月営業登録などの申請も含めるとそれ以上かかります。
海外での起業なので当たり前なんですが、とにかく時間を多めに見込むことが重要です。
まとめ
いかがでしょうか。ぼくが体験した、台湾での会社設立の流れをまとめてみました。
正直社員の子と会計士に任せてた部分が多いので今振り返ってもちんぷんかんぷんです(笑)
ただ重要なポイントは抑えられたかなと思います。
ちなみに日本人にとっては、台湾での会社設立は就労ビザの獲得のためにやると言っても過言ではありません。
今回の日本人の台湾での起業のポイントは下記です。
- 資本金50万元相当を日本から送金する必要がある(約200万円)
- 社長ビザを申請し、1年間のビザを取得することができる
- 社長ビザは年間300万元規模の売上を上げることで更新が可能
そう3点目に驚くべき条件があります。就労ビザの更新には年間300万元の売上が必要です。
これをクリアできるビジネスモデルを考えて台湾へ進出する必要があることを念頭に置いてビジネスを計画しましょう。