
台湾で飲食店向けの不動産を探す際にどのように、どういった条件で探すのが良いか?
結論からいうと自分は「頂譲(居抜き)」で条件が出されている物件から探すのがおすすめです。
物件の探し方と、出祖と頂譲の条件の違いについて紹介していきます。
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台湾の飲食店物件はどうやって探すべき?
台湾で飲食店をやるための物件は主に以下の3つの方法で探します。
- 不動産サイトで探す
- 仲介業者に相談する
- 自分の足で探す
どれが正解かというのは人それぞれですが、傾向としては以下のようになりますね。
- 日本の既存企業が進出する場合→2
- 個人規模の出店の場合→1.3
目標とする売上やスタイルによって選択肢は異なります。
ぼくは当然個人規模の出店なので1.3の方法で店探しをしました。(今は2号店開業地を探してます)
以下にそれぞれの探し方の特徴を書いておきます。
1.不動産サイトで探す
台湾に不動産サイトで最も有名なのは591です。
こちらのサイトから検索して物件を探します。
自分の出店したいエリアの家賃相場を調べるにも役立つサイトです。
2.仲介業者に相談する
不動産の仲介業者は多くいます。
街でよく見かけるのは信義房屋とかですかね?
ぼくは仲介業者を挟んで契約した経験がないので良し悪しは判断できませんが、彼らが飲食ビジネスのプロでないことは理解しておくべきでしょう。
おすすめなのは仲介業者の情報をもらうことです。
彼らは管轄エリアの地図や開発計画をまとめたマップを営業資料としてもっているので、それをもらうとかなり役立ちますよ。
3.自分の足で探す
個人で台湾に進出するのならこの探し方がメインになるでしょう。
台湾は仲介業者を挟まずに直接契約することが多いです。(もちろんデパートとかは別ですよ)
特に立地条件のいい物件ほど仲介を挟む必要がありません。
不動産サイトに出稿する必要もありません。
店を畳むときに張り紙で「出祖」「頂譲」と張り紙をしておけばあっというまに次の契約主が現れてしまうんですね。
このスピード感が日本と違うところです。
なので、良いなと思った物件は定期的に巡回しましょう。
ぼくは潰れるのを待っている物件がもう4件ほどあります。(涙)
以上の3つの方法で不動産を探していきます。
次に台湾の不動産契約体系に「頂譲」「出祖」の2つについてそれぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。
頂譲(居抜き)のメリット・デメリット
頂譲は日本でいう「居抜き物件」をイメージすればOKです。
現在のテナント契約者から備品を買い取り、家賃契約もそのまま引き続く形になります。
例えば以下の場合ですと50万元が頂譲金ですね。
その下に書いてある祖金が1ヶ月の家賃です。
メリット
この契約のメリットは以下のようになります。
- 大掛かりな工事が不要で内装費が節約できる
- 飲食設備が整備されている
当然ですが、飲食店をやるのであれば飲食設備が整っているところで契約した方がコストを抑えられますよね。
1.大掛かりな工事がいらない
また店内のレイアウト(骨組み)をそのまま流用すれば壁紙やタイルを張り替える程度ですみますので内装工事が安価になります。
2.飲食設備が整備されている
具体的にいうと、グリーストラップ(阻集器)や電気容量(50→100Aへの増強)などが既に整っていることが多いです。
また調理器具なども流用することができます、場合によってはレジシステムなども含まれています。
デメリット
デメリットは以下の3点ですね。
- 買い取る設備のコスパが悪い
- 店内レイアウトを変更しずらい
- 家賃交渉がむずかしい
1.設備のコスパが悪い
例えば日本の冷蔵庫・エアコンは中古でも十分なパフォーマンスを発揮します。
しかし台湾ではかなりパフォーマンスが落ちます。これは品質の問題もありますし、そもそもメンテナンスをするという習慣があまりありません。
前オーナーの性格にもよりますが、基本非常に汚い・壊れやすい設備だと思っておいたほうがいいでしょう。
(ある意味ゴミを売りつけられる覚悟も必要かもしれません。)
冷蔵庫・エアコン付きで契約したのに買い直しに・・・という事例は多いはずです。
2.レイアウト変更はコスト増
また店内レイアウトを変更しにくいです。
できないことはありませんが「壊す→新設」という工程になるのでそのぶん内装工事にのしかかります。
3.柔軟な家賃契約が難しい
そして家賃交渉ですが、前オーナーの契約をそのまま引き継ぐ形になることが多いため交渉不可であることが多いです。
例えば前オーナーが5年契約をして現在5年目という物件の契約を引き継いだ場合、1年後に家賃改定される可能性があるということです。
出祖(スケルトン)のメリット・デメリット
こちらは日本でいう「スケルトン物件」です。
基本的に内装や設備は付属しておらず、自分で設計・施工を手がけるタイプです。
例えば以下の物件条件ですと、家賃・敷金・1年契約という形になりますね。
メリット
メリットとしては以下の3点でしょうか。
- 家賃交渉の余地がある
- 物件の契約年数を交渉できる
- 不要な備品がない
1.家賃交渉の余地がある
出祖の物件は大家と契約条件を交渉する余地があります。
例えば通常3年契約のところを5年契約にする、家賃を割り引いてもらうなどができます。
2.物件の契約年数を交渉できる
上記の家賃交渉の話と繋がりますが、台湾(特に台北)では不動産価格が上昇傾向です。
よって短い家賃契約を交わすと契約更新の際に家賃改定をされる可能性が非常に高いです。
こちらも店がある以上「値上げをのめないなら出ていってくれ」と言われたらおしまいなので、長めに契約をしておくのが防衛策です。
(撤退するときも次のオーナーを探せば違約金もありません)
3.不要な備品がない
上記の頂譲で契約した場合、必ずいらない備品があり、これらを処分するの手間と費用がかかります。
また前述したように台湾の設備のクォリティは非常に低いため1つ1つチェックが必要です。(辞める側は壊れてることとか正直に言いませんからね)
デメリット
出祖のデメリットは以下の3点です。
- 内装費がかさむ
- 飲食設備がない場合がある
- 開業まで時間がかかる
1.内装費がかさむ
当然ですが、何もないぶん内装費がかさみます。
頂譲と比較して2〜3倍の費用がかかると思った方がいいですね、さらにここに飲食設備費用がのしかかるわけです。
個人レベルの台湾進出でこのレベルの出費をしてしまうのはいささか得策ではないように思います。
2.飲食設備ない場合がある
もしその物件が過去に飲食店をやっていた場合はいいのですが、そうでない場合グリーストラップや排煙など設備がない場合があります。
これらの設備は主に高額なため、もし自分で取り付ける場合は大きな負担になります。
3.開業までの時間がかかる
イチから工事をするため施工期間が長くなります。
台湾の場合施工期間が延びることは当たり前ですし、なにより施工期間も家賃を支払うためキャッシュフロー的には最悪です。
まとめ
今回の話をまとめましょう。
台湾で飲食店を個人レベルで開業する場合は「不動産サイトと自分の足」で「頂譲」の物件を探すやりかたがオススメです。
もし土地勘がない人が台湾で開業するのであれば移住後に開業場所のあたりをつ、希望条件にあった物件が出てくるまで約半年といったところでしょうか。
ぼくも2号店の開業地を探しはじめてもうすぐ半年が経過しますが、なかなか現れません。
立地は最初にして最大の成否を分けるポイントなので、この点は妥協せず探すのがいいですよ。
以上、台湾で飲食店を開業するときの物件の探し方(出祖・頂譲の比較)でした。