
日本/台湾にかぎらず飲食店を開業したいという人は多いのではないでしょうか。
近頃では飲食業界のブラック的な部分がクローズアップされていてマイナスイメージもありますよね。
でもお客さんとの距離感を考えるとこれほどやりがいのあるビジネスもないと思います。
ラーメンをスープまで完食してもらった丼を見ると自然と笑みがこぼれますし、お客さんへの感謝も湧いてきます。
しかし「お客様の笑顔が好き」だけではやっていけないのが商売というもの。
このブログで飲食店経営の色々なノウハウを紹介していこうと思いますので、参考にしてください。
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飲食店を開業するときの家賃はいくらにするべき?
今回のテーマは「家賃」です。
飲食店をやるならば、どんな条件でテナント(物件)を探すべきなのか?
立地など色々な要素がありますが、今回は「適切な家賃価格」について紹介したいと思います。
家賃は「超重要」なファクター!
実は飲食店において家賃と言うのは超重要なファクターなんです。
・・・と分かってる人もいるかもしれません。
じゃあどうして超重要なのか掘り下げてみたいと思います。
家賃が重要なのは「変えられない支出」だからです。
飲食店の毎月のコストには、フランチャイズの月額費用等、減価償却、リース費用など毎月決まった金額のものがあります。
これらは固定費と言う費用に分類されます。
固定費の恐ろしさ
その名の通り固定なので、トラブルで店が営業できなかろうが、毎日の売上が悪くても、絶対に払わないといけない固定費用です。
大事なことなのでもう一度いいます。
店を営業できなくても払わないといけないのが家賃です。
- あなたが体調を崩した
- スタッフが足りなくてオープンできない
- 電気トラブルで店があけられない
- 台風がきて看板が壊されて営業どころじゃない
何があったとしても家賃は変わらぬ金額を払わないといけないんです。
なので家賃を軽視すると、あっという間に資金難に陥ります。

ぬああああああああ
俺の店の看板なくなったああああ pic.twitter.com/GkLsqNrLbc— でぐ@台湾 (@DEMI1202) 2015年9月29日
適正な家賃価格は?
じゃあ一体家賃はいくらのものを選べばいいのか?
これについてはカンタンな指標があります。
家賃の10倍の売上をその場所で実現可能か?
そんな風に考えればOKです。

具体的に数字で考えてきましょう。
例えば、家賃100,000円の物件を検討してるとしましょう。
10倍の金額である1,000,000円の売上が1ヶ月に必要です。
これを30日で割って1日に約33,000円の売上が必要になるわけですね。
更に細かく家賃を日割して考えよう
ここでもう少し深く掘り下げて考えてみましょう
もし定休日があるのであれば計算が変わってきますよね。
また1年間単位で考えるとお盆やお正月など、店休日は意外に多くなります。
お店を閉めた日数の分だけ、他の営業日で稼がないといけないわけです。
そこまで加味した上で本当に目指すべき1日あたりの売上が見えてきます。
休業を含めた1日あたり家賃を算出する
例として、毎週月曜日が定休日のケースで計算しましょう。ラーメン屋ってよく月曜日休んでますよね。
そうなると、1ヶ月間の営業日はだいたい26日間になります。
10万円を26日間の営業日で割ると3,846円、これが1営業日あたりの家賃です。
この10倍なので、1日38,460円の売上が必要になります。
※先ほどの33,000円から15%UPしているのがポイントです。

正月休みなどを加味すると実際の1日営業日当たりの家賃はもっと上がりますしね。
1日の売上を営業時間数に落としこむ
ここまでくれば「この場所で1日あたり◯◯円の売上が可能だろうか?」という風に考えることができます。
・・といってもそれが分かれば苦労しないんですけどね(汗)
しかし、想像力を働かせてその立地のポテンシャルを見極めなければいけません。
参考にする材料として、先ほどの計算で算出した38,460円(1日売上)を営業時間数で割りましょう。
営業時間は何時間か?
この場所で◯時間の営業時間で目的の売上を実現するか?
目的の売上は1日38,460円、商品は1杯700円のラーメンとしましょう。
1日54杯のラーメンを売らなくちゃいけないわけです。
営業時間5時間の場合・・・
1時間あたり売上は7,692円
1時間あたりラーメン販売数量は11杯
営業時間8時間の場合・・・
1時間あたり売上は4,807円
1時間あたりラーメン販売数量は7杯
こんな風に計算できますね。
このように1日の、さらに1時間毎にいくらの売上が必要か?(何杯売ればいいのか?)ここまで考えるとグッとイメージしやすくなると思います。

人の胃袋と席数には限りがある
ただし、知っての通り人が食事をする時間というのはだいたい決まっています。
主食であれば昼ごはん、夜ご飯の時間がピークに、間食系のスイーツなどであればそれ以外の時間がピークになりやすい傾向があります。
(昼の12時と夕方4時のどちらがラーメンを食べる人が多いか?的な話です。)
昼と夜のピークにどれだけ来客が見込め、何杯売れそうか?まで考えないといけません。
またピークだからといって無限に売上が上がるわけでなく、席数の限界も考えないといけません。
お客さんがどれだけ来ても座る席がなかったら売上になりませんからね。
・・・と細かく考えだすとキリがないのですが。
そういったピーク時の消化やアイドルタイム(暇な時間)にそれぞれラーメンが何杯売れるかイメージします。
そうしたイメージの末、「売れる!/売れそうだ!」と思える場所であれば、適正な家賃価格といえます。

1等地や好立地が危険なワケ
こういう風に計算していくと、自分の商売に適切な家賃はいくらか?というのが分かってきます。
例えば1杯700円のラーメンを8時間営業で売るのに、家賃が50万円もするようなテナントを契約したらどうなるか?
どう考えても苦しいですよね?
でも多くの飲食店が「一等地だから、立地がいいから、通行量が凄く多いから・・・」という理由で高額な家賃のテナントを契約していっちゃうんですよね。
まとめ
長くなったので今回の家賃についての話をまとめます。
- 飲食業において家賃は超重要なファクター
- 理由は固定費は営業できずとも支払う項目だから
- 高い家賃は特にトラブル時の資金繰り悪化に直結する
- 家賃の10倍の売上を出せそうか?
- 日割、時間割で目標の売上をイメージする
- イケそうならそれは適切な家賃
- 売るモノの価格と家賃のバランスを考える
このような内容になります。
飲食業の開業は、よりリアルなイメージ力が問われます。
普段から色々な飲食店の値段や場所、客入りを観察するとそれが養われるのでオススメです。

以上!【飲食店経営】店を開業する時のテナント家賃はいくらが適切か?でした。
fa-comment-o台湾人嫁ボニーのコメント
ここまでの話を台無しにするなw