
台湾での起業を考えてる人に是非!伝えたいことを書きました。
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台湾で起業して早3年目
武藤拉麺というラーメン屋を立ち上げるために台湾にきたのが2014年の4月でした。
早いものでもう3年目になります。
いま振り返ると、台湾で起業する前に身につけていてよかったと思うことに「会計知識」があります。
経営者である以上は、数字と向き合うことからは逃れられません。会計の知識というのは、会社経営において地図を読むぐらい常識の知識です。
なぜ会計知識が必要か?
なぜ会計知識が必要なのか?
経営をしていると色々な判断や状況を確認しなければいけません。
- 人手不足のときにパートタイマーと社員どちらを募集して採用すべきか?
- 新たに売上をあげるためにキャンペーンをやりたい、予算はいくらにするべきか?
- 去年より利益がへった、何故か?どうするか?
- 来月のアルバイトのシフトの予算はいくらにするか?
- 来月支払う税金はいくらあるか?
- 今年の見込み売上額はいくらか
そういったこれからどうするか?理由は何か?
とにかく考え、決断することが非常に多いのが経営です。
それらのことを判断、決断するための資料をつくるのが会計知識なんです。
どんぶり勘定の危険性
つまり会計知識がないということは、あらゆる判断がカンや経験則に委ねられます。根拠のない決断が多くなるということです。
極論をいってしまうと
「最近儲かってねーな。よし!いっちょ店の内装をリフォームしてお客さんを呼び込むか!」
とか
「人件費高いなぁ・・・・社員を減らしてどんどんアルバイトを雇おう!」
とか、感覚で物事を判断しがちなのです。
※ちなみに台湾ではアルバイトをたくさんかかえると法定福利費が割高になります。
天才ならそれでも過ちを侵さず正しい判断ができるかもしれませんが、他の人が真似できるものはありませんしノウハウの定型化ができません。
なので地図を読むスキルである会計知識を身につけるのは必須なのです。もう常識中の常識。
(ちなみに会計、会計と繰り返し述べていますがここでいう会計知識は「管理会計」を指しています。興味があったら見てみてください→管理会計-Wikipedia)
ではどうやって会計をやるか?
ではそんな経営者にとって常識である会計ですが、どうやって管理したりすればいいのかというと会計システムを使うのが1番です。
会計システムは、日々の売上や経費(給料、仕入れ、水道光熱費などなど・・・)を入力する経理作業をサポートしてくれるシステムです。
そうすると日々の活動を入力すればまとめてレポートにしてくれるというわけです。
このレポートのなかで損益計算書(P/L)や試算表(B/S)と呼ばれてるものがあります。
他にも会計システムに入力したデータから、色々な情報を引き出せます。
- 業者別の毎月の仕入額・発注額
- 次月の支払い予定金額
- 半年間の水道光熱費の推移
- 毎月の月次損益計算
- 1年前に購入した備品の金額と購入先業者
などなど、経営判断に役立つものから、過去の取引の備忘録まで。
全ては日々のデータを会計システムに入力するからこそ手に入れることができる資料です。
ぼくは台湾で会社を経営しながらも会計システムは日本のfreeeというクラウド会計ソフトをを使っています。
もちろん税金申告に使われる資料は台湾の言語に直さないといけませんが、コピペして張り替えるだけなので特に困りません。
クラウド会計ソフトは親切で使いやすい
5〜6年前に比べると今はいい時代だなと思います。
freeeをはじめとするマネーフォワードなどの会計ソフトには、どんなときに使う項目なのか?という説明が設定されています。
家計簿のような感覚で入力できるので親切です。
ぼくは1日に伝票にして大体5枚〜15枚を入力していますが10分ぐらいで終わります。
実は会計ソフトへの入力というのは、あまり大変な作業ではありません。
にもかかわらず多くの個人事業主や、社長達がこういった経理作業を面倒臭がるのは、作業を溜め込むのと入力している情報の大切さを理解していないからです。
日々のデータに最低限入力するべきもの
さて、そんな便利なクラウドの会計ソフトですが、適当に入力するのではなくて、最低限こんなデータを意識しながら入力しておくべきです。
- 仕入れや外注費→業者別に
- 法定複利費→社会保険、労働保険などの項目別
- 水道光熱費→電気代、水道代、ガス代など項目別に
- 給料→パートタイマーと正社員別
- 売上→取引先別、売上の種類別に
などなど、ざっくりとデータを入力するのではなくて、後々資料として分析しそうな項目を意識して入力するべきです。
家計簿で例えるのなら、交通費という項目を「タクシー代」「電車代」と分ける感じです。
これをすることによって、交通費が多いなと思ったときにタクシーを使うことを控える、という判断ができます。
ただ、全てを細かく分類しすぎると労力が膨大になります。
コツは自分でコントロールできそうな項目ほど細かく入力するです。
資金繰りは会社の命を左右する
また経営では手元の資金をコントロールする必要があります。
資金が尽きる=その会社の死を意味するので立ち上げ当初はかなりコレに苦労します。
飲食業の例えになりますが、基本的には食事をしたお客様から毎回現金をもらうので、お金がすぐに入ってきます。
そして翌月に仕入れ先業者への支払い、というパターンが最も多くなりますね。
当たり前の話なのですが翌月に業者に支払う分の現金を持っておかないといけません。
しかしながら、店の修繕など思わぬ突発的な出費が続くと手持ちの現金がどんどんなくなるわけです。
現金がどんどんなくなり、何故か毎日の売上も思わしくなってきた、そして迫る業者への支払日・・・
こんな風に切羽詰まります。
特にぼくの場合は運転資金ギリギリで開業したので最初のころはこの資金繰りに相当頭を悩ませました。
(200万の売上が出ても180万の支払いが発生するのが飲食業ですから。。。)
そんなときに会計ソフトに入力してあるデータをもとに、資金繰りの資料を作ります。
それをもとに最低いくらの現金を保有していれば大丈夫なのか?というのを把握していきます。
会計ができてよかったこと
そんなめんどくさそうな会計なのですが、できると良いことはたくさんあります。
資料として定型化できるので、業界水準の数値と自分の事業を比較できます。
例えば、飲食業界ですと仕入3割人件費3割のFL(フード・レイパー)なんて言葉を聞いたことがありませんか?
そういった指標を計算し、業界の水準と比較し、自分のビジネスが適正な数値にできているかという評価ができます。
また資金繰りの目処をつけてお金の不安を軽減し、事業に集中できたということも何度もありました。最近では自分の店の利益をまとめた資料を出資を検討してくれている人にプレゼンをしたりということもできました。
起業する以上、会計(数字)は経営者が必ず取り組むべき仕事になります。
むしろ取り組まないのであれば企業としては大きくなることは望めない、それぐらい大事なことです。
会計知識が全くない人はどうするべきか?
会計の知識なんてまったくないんだけど・・・
という人も心配はいりません。
まずは家計簿からスタートしましょう、というのは会計も家計簿も共通している部分が多いのです。
そして1番大事なのはデータを記録して分析して改善する能力です。
たとえば家計簿を記録して「今月は外食費が多かったなぁ。来月は外食を5回までに減らそう。」と改善しますよね?
それと同じです、会社経営も分析、改善、分析、改善の繰り返し。
ただ会計には、家計簿にはない概念がたくさんあるので起業する前から学んでおくのがベストです。
なので家計簿で記録することから始め、会計知識を取り入れてみてください。
まとめ
- 起業するなら(場所問わずに)会計知識は必ず身につけておく
- 今は無料でスタートできるクラウド会計システムがあるので活用する
- 日々のデータは、後の分析をイメージして入力する
- 会計ができると自分の事業を評価したり人にプレゼンできる
- 会計知識がないのなら家計簿からスタート
まとめるとこのような内容です。
ぼくが使っているクラウド会計ソフトは無料で試せるので一度使ってみてはどうでしょうか。
fa-comment-o台湾人嫁ボニーのコメント
日本語できる会計事務所はめっちゃくちゃ高いけどねw